プロローグ

私はどこにでもいる普通の30代半ばの日本人だった。

とびぬけて美人でもなく、スタイルがよいわけでもなく、34歳で思い切って表現力豊かなアメリカに移り住んでも相変わらず愛想は悪いし、英語も上手いわけではなかった。

どちらかといえばネガティヴで、アメリカに住むことによって新しい自分になるのだとはりきってはいたものの、自分の過去からのイメージから抜け出せずに葛藤してもいた。

自己価値を高めようとたくさんの自己啓発の本を読んできた。読んだ後には自己価値は舞い上がるが、何か起こるとすぐに以前の自分に降りてきての繰り返し。情緒不安定とよく人に言われたりもした。これが私なのだと半ばあきらめつつ、でも、心の中ではきらきらした夢もあった。目に見える現実と目に見えない夢との間でどうしてよいのかわからなかった。そんな迷いが表情にも出て、いつも不安げな顔をしていたように思う。そんな自分だから、自分のことを当然好きにはなれなかった。もちろん友達もいない。友達も寄ってこないこの私に結婚相手なんか見つかるわけがない。そうあきらめていた最悪の頃、私は最高の夫と出会った。

彼の名は BILL BENNETT(ビル. ベネット)