プロフェッショナルではなく、アンプロフェッショナル

ビルほどに他人の目を気にしない男はいなかった。私と違って夫は他人の目や意見に重要性を見出したことはなかった。

日本で育った私にとって、人の目を気にしないその自信はどこから湧いてくるのだろうと思った。夫は何でも本音を言うし、あまり人の意見を参考にしない。弁護士、医者、プロフェッショナルと呼ばれる人たちにさえ、堂々と自分の意見を言う方である。そして彼らはなぜか耳を傾ける。そして彼らは混乱する。ビルのセオリーに、正しいか間違っているかは存在しなかった。通常だとプロフェッショナルのアドバイスに従うものだが、夫は彼らに自分のアドバイスに基づいて従ってもらいたい質であった。夫はいつだってこう言っていた。

“I’m not a professional.” (ぼくは、プロフェッショナルじゃない。)

だから言いたい放題だった。プロフェッショナルだと、ひとつの分野をとことん突き詰めて、データや経験や過去に基づいた意見を述べなければならない。しかし、夫の意見は単純にこうしたい、という思いからであった。

誰もがビルに会うと、強いキャラだと言った。一度会うと忘れられない。どちらかと言えば彼のことを苦手と思う人の方がはるかに多いだろう。陰ではいろんなことを言われていただろう。敵対心を持っている人もいただろう。白い目で見ている人も多いにいただろう。そういう人たちに対して夫はこう言っていた。

“Their opinion is not important to me.”(彼らの意見は僕にとって、重要ではないね。)